2016.11.27
家族葬の実際
家族葬ってどんな葬儀？
家族葬は、少人数の参列による葬儀
近年「家族葬」というネーミングが定着したと思います。家族葬という言葉は新語で、以前は密葬と呼ばれていた葬儀の形式の内容がこれに最も近いものだそうです。
ある葬儀社が規模の小さな家族中心での葬儀という意味合いで使用したのが始まりで、葬儀の「形式」や「宗教形態」を規定するものではありません。そのため、家族葬には明確な定義がなく、ご家族やご親族、親しい友人を中心とした少人数での葬儀の総称として用いられることが多いようです。
基本的に必要なことや式の流れについては一般的な葬儀とほぼ同じです。元来、密葬の場合には別途、本葬が行われることが多いようですが、家族葬の場合にはこれのみで完結します。一説によると、高齢化に伴い、職場を引退してから死亡するまでの期間が長くなるにつれて、葬儀への職場関係者・会社関係者による参列が減り、家族や近親者のみの葬儀が増えてきたことが一因とされているようです。
また、ご高齢者の中には高齢者施設などで亡くなる方も増え、訃報を通 知する相手も少なくなり、自然に内輪だけのごくシンプルな葬儀すなわち家族葬となるケースも多くなっているようです。このように 故人を取巻く環境や背景などにより、参列者を限定し少人数の参列による葬儀を近年では家族葬とするようです。
家族葬のメリットとデメリット
家族葬にしようかどうか迷っている方は、一度、メリットとデメリットを並べて整理してみましょう。メリットとデメリットを比較することで、家族葬について検討しやすくなると思います。
家族葬のメリット
<費用が抑えられる>
基本的には参列社への返礼品もなく、自宅で行われることも多く、葬儀自体もコンパクトなので一般葬儀にくらべ低価格で行うことができる
<手間が少ない>
手間が少ないのもメリットのひとつです。>参列者への気遣いに追われることがないため、精神的・体力的に負担が軽くなります。身内だけなので、気を使わず、準備する人＝参列者ですので、葬儀の全体的な手間が少なくなります。
<故人との時間を大切にできる>
手間が少なく、負担がすくない分、身内や近しい人とゆっくりお別れができ、故人との時間をより大切にできます。
<形式にとらわれない自由なお葬式にできる>
しきたりやマナーにとらわれず、故人が好きだった音楽を流したり、家族全員でアルバムの写真を見ながら故人を偲んだり…大切な人との別れの時間をできるだけ故人の遺志にそった形で行う事ができます。
家族葬のデメリット
<香典収入がないので支出のみを考えなければいけない>
一般葬儀にくらべ低価格で行うことができる家族葬ですが場合によっては香典を受け取ることができないので一般葬儀より多く費用がかかる場合があります。お金のことを考えて家族葬を選ぶのであれば、元気なうちに事前相談で家族葬にかかる費用と予測できる香典を計算して、実際にかかる費用を調べておきましょう。
<報告の必要性>
遺族が家族のみでお別れをしたいと思っていても、故人と最後のお別れをしたいと思っている人は、親族以外にもいるかもしれません。「家族しか葬儀に呼ばないなんて不義理だ！」とトラブルになるケースも見受けられます。家族葬を行いたいという意向を、故人の関係者に正確に伝えておかないと上記のようなトラブルに発展する可能性もあるということです。
などが挙げられます。また一方で「何をしたらいいのか、わからない」「人生の終わりについて考えるなんて気が進まない」という方もいるかもしれません。でも、実際に終活をしている方たちはいたって前向きです。自分のため、家族など大切な方たちのために、少しずつ準備をしているのです。
今まで考えてもみなかったこと、面倒で放っておいたこと、当たり前すぎて見落としていたことなど、いろいろなことに向きあい、じっくり考える方も多いようです。そうしながら、今まで生きてきた道のり、そして、これから先の人生について見つめなおしていく。終活は、『今とこれからを、より良く生きるための活動』といえるでしょう。
家族葬のマナー
身内だけで故人とのお別れをするための儀式が家族葬です。儀式の進行や席順をはじめ、葬儀の際の喪主の挨拶や弔辞などについても柔軟に考えて、各自が故人に対してお別れの挨拶をするようなつもりで行うのが良いでしょう。
弔問者側は「故人との最期の時間をゆっくりと過ごしたい」という家族葬の趣旨を尊重し、喪主側は弔問者側に「弔問はしなくてよいのか、香典は必要ないのか」といった不安を与えないようにする工夫が必要です。
家族葬を選択の一つとして
費用的にも精神的・肉体的にも負担を抑え、また身内でしっかりと故人を見送ることができることから近年増えている家族葬。しかし上記にもあるようにメリットとデメリットがありますのでじっくり検討する必要があります。
しかし、葬儀に最も大切なのは、心を込めて故人を送り出し、また残された者の気持ちの整理をつけることです。これらのことを踏まえて家族葬を選択の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
